2017-10

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【観劇】カムヰヤッセン「山の声-ある登山者の追想」


前回ゆめアールに来た時、いけなかったのが悔しかったので、無理やり当日券で行ってきました。
カムヰヤッセン!@甘棠館Show劇場


私が観劇したのは19:00からの「山編」です。
街編も観たかったなぁ...


山に魅せられ、1人で山に挑み続けてきた男が2人。
そんな2人はパーティーを組み、挑んだ冬山の途中で吹雪をやりすごしている。
甘納豆とじゃこ、チーズとリンゴ、アルコールランプ、過去の後悔、現在の未練が交錯する夜のお話。



濃密な2人の会話劇。
舞台装置とそれを照らす照明がとてもキレイで、方言たっぷりに話す男2人の声を聴いて、
もうすっかり世界観に飲み込まれてしまいました。
世界観に浸って心地よくなることが減ってきたことが悲しかったので、なによりそれに満足感でいっぱいです。

睡眠不足と体調不良で、「絶対寝る、悪夢再びや...」とドキドキしてたりしてたんですが、ところがどっこい。
最後のあの怒涛のシーンは、両手を胸の前でぎゅっと組んで、手に汗がにじむのを感じながら2人の男の行く末を見守っていました。

つ、つかれた...ぜぇぜぇ言いたい気分になりながら電車で帰りました。
「あのセリフ量であの発声、噛まないのがすごい」とかいう問題じゃない気がします。
最前列で観てたんですが、顔中に光る汗や、胸ぐらをつかんでいるシーンの先輩の目線の強さ、2人の絶妙な距離感にぞくぞく。
目の前に生きている人がいる。
冬山で命の限り生きようとあがいている人がいる。
辛さも苦しみも山への憧れも、全部背負ってしまった人が、そこにいる。

なんとなくそういうことをひしひしと感じました。
これが演劇の良さなんかなぁ!!
カムヰヤッセンさんの「現代の古典演劇」っていうキャッチフレーズにも納得です。
空気感全部背負って帰った感じ。

空晴さんのときも思ったのですが、「年齢をとってしまったからこそ出る説得力」というのも感じました。
同じ戯曲で、とても演技の上手い若い役者がやっても、表現できない男の姿を見た気がします。
(今度の佐々木蔵之介のマクベスが楽しみ!)



まー、小童の私には山への憧れなんていうのはこれっぽっちも理解できないのですが、
実家に帰った時にばーちゃんが、昨年亡くなったじーちゃんの話で
「じーちゃんは最後まで夢ばっかりみてた」
と言っていたのを思い出しました。

(じーちゃんは元々俳優をしていて、その後事業を立ち上げたのですが、落ち着いたらまた芝居をしたい、と言っていたようです。俳優時代を書いたじーちゃんの自伝を読んだのが、私が演劇を初めたきっかけだったりもします。)



最後まで夢を見て、そうして死んでいった彼は幸せなんでしょうか。
家族がいるからと必死に生きようとした先輩を、彼は少し見下していたのでしょうか。
先輩は、山を諦めたのでしょうか。
(先輩が無事に帰りつけたのかどうか、私にははっきり言えないですけど)

最後まで自分の会社から手を引かず、歩けなくなるまで会社のことを考えていたじーちゃんは、
どんな気持ちで俳優時代のことを文字に起こしたのかな。
私が「劇場に勤めたい」と話した時に、応援しつつ「でも生活は大切にせなあかんよ」と話してくれたばーちゃんの言葉には実感がこもっていて、
先輩の奥さんと子どもさんのことを遠くに想像して、ばーちゃんに重ねて心配したりもしました。
「男は家を出ていき、女は家でじっと待っている」...なんて時代ではないとは思うんですけど、
夢を追いかける男ってかっこよく見えるから困るな〜家庭を背負った瞬間ちょっと切なげになるのなんでなんやろ〜


うーん、私の主観、私の人生の中で無理やりこの演劇を完結させようとしている気がして、感想として合っているのかよくわからなくなってきたんですけど(笑)

「最後まで夢を追いかけることが素晴らしい」ということを描きたいのなら
あの怒涛の雪山の場面は、あんなに怖くて辛い描写にしなかったかな、とも思います。
でも「夢を追いかけることは辛く厳しいことだ」ということを描きたいのなら
あんなに綺麗なラストシーンにしなかった気もします。


大学生とかがこういう話をしたら「男ってバカだな」って一蹴してしまったかもしれないんですけど
いろんなものを背負って、いろんなものを捨てて生きてきた人が
目の前であんなに死ぬことに抗っていたら、さすがにちょっと、なんていうか、クるものがありましたよね...



前半の会話劇はちょっと長く感じたけど、最後のあのスピード展開の布石だったのかなと。
立ったり座ったりの動きが、どうも不自然に感じたりはしました。
座ったままで話せばいいのに、なんでこんなにウロウロするんだろう、なんであの疲れる座り方するんだろう、みたいな。
絶対最前列で観たから、なんだと思うんですけど(笑)

時代がだいぶ前だったので、カムヰヤッセンさんの現代劇が観たいな、と思いました。
街の話はどんなんやったんやろ〜〜


くーっ!なんでこれが福岡1日、キャパ60の甘棠館で2公演だけやねんー!しかも平日!平日昼夜て!平日昼て!くーっ!
もっとたくさんの人に観てほしい、学生にいっぱい観てほしいし、演劇やってる人にもやってない人にも観てほしい。
演劇ってこういうもんなんだよ、これだから演劇が好きなんだよ、って思いっきり感じられる作品でした。



照明めっちゃ綺麗やったなぁ...甘棠館であーゆーのやられると、もうどんなところでも場所のせいに出来ひんよー笑



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